prism OKAMI Editionを全国の宿泊施設で実際に使っていただく「47都道府県モニタープログラム」の募集を開始しました。日本各地の宿から発信される、季節の便りや地域の食、何気ない日常。その一つひとつが、世界の誰かの「旅マエ」とつながり、新しい旅のきっかけになるかもしれません。どんな情報が、どんな人に届くのか。そしてLanguage-Freeによって、宿の発信そのものはどう変わるのか。全国の現場と一緒に確かめていきます。
旅は、「旅マエ」のさらに手前から始まる
昨日の記事では、prism OKAMI Editionを最大30言語にした理由について書きました。世界のさまざまな言語で情報が存在することで、これまで想定していなかった人とも新しい接点が生まれるのではないか。僕たちは、そんな仮説を持っています。
観光・旅行業界では、旅行前の情報収集や計画の段階を「旅マエ」と呼びます。行き先を考え、宿を探し、予約する。宿泊施設にとって、とても重要なフェーズです。
旅のきっかけは、そのさらに手前にもあると思っています。食べ物に興味を持つ。温泉の記事を読む。地域のお祭りを知る。好きな建築家の建物が日本にあると知る。そんな日常の情報との出会いから「ここへ行ってみたい」が生まれ、やがて旅へとつながっていく。
prismでつくりたい接点は、そんな「旅マエのさらに手前」まで含んでいます。
「おきゅうと」が、ホテル選びを変えたかもしれない
少し個人的な話をします。
先日、福岡でホテルに泊まりました。朝食はよく考えられていて、福岡県産のお米を土鍋で炊いたご飯もおいしかった。十分満足したのですが、欲を言えば、もう少し「福岡に来た」と感じられるものも食べてみたかった。
たとえば、「おきゅうと」です。
僕は福岡出身で、子どものころはよく食べていました。海藻を原料にした福岡の郷土食で、生姜醤油などで食べます。全国的に知られた派手なご当地グルメではありません(笑)。でも僕にとっては、「福岡の朝ごはん」と聞いて思い浮かぶものの一つです。
ホテルの公式サイトに立派な朝食紹介ページがあったとしても、おきゅうとをわざわざ主役として取り上げる機会は少ないでしょう。でも、日々更新するブログや宿の日記なら、「今朝は地元で親しまれているおきゅうとをご用意しています」と自然に書けます。
もしホテルを探しているときにそんな記事を見つけていたら、「それ、食べてみたいな」とかなり惹かれたはずです。別のホテルがそう発信していたら、そちらを選んでいた可能性だってあります。
では、世界中に「福岡のおきゅうと」を探している人が何人いるのか。正直、僕にも分かりません(笑)。
でも、何かのきっかけで日本の食文化に興味を持った人が、「OKYUTO」という食べ物を知り、自分の言語で調べる。その検索結果に福岡の宿の記事が現れ、「ここへ行けば食べられるのか」と知る。そこから福岡への旅が始まる。
そんな細い接点が、世界中のさまざまな言語で少しずつ生まれる可能性があります。
だから、47都道府県でやる
今日から、prism OKAMI Editionの「47都道府県モニタープログラム」の参加施設を募集しています。
47都道府県にした理由の一つは、日本各地に「おきゅうと」のような情報が無数にあるからです。
北海道と沖縄では季節も食文化も違います。長野と香川でも旅の魅力は違う。同じ県の中でも、温泉地、都市部、海辺、山間部では、日々生まれる情報が変わります。
だからこそ、何が世界の誰に響くのかは、全国の現場から実際に発信してみて確かめたいと思っています。
47都道府県にしたのは、日本各地の違いをそのまま活かしたいからです。それぞれの土地にある、それぞれ違う「旅のきっかけ」を世界へ出してみる。その先でどんな出会いが生まれるのかを見てみたいのです。
アクセスの先にある変化も確かめたい
海外からどれくらい読まれるのか、どの言語のページにアクセスが集まるのか、検索からどんな接点が生まれるのか。これはしっかり見ていきたいと思っています。
そして僕が同じくらい興味を持っているのが、発信する宿側に起きる変化です。
日本語でいつも通り投稿した情報が世界へ届くようになれば、「これも海外の人に伝えてみよう」と思うことが増えるかもしれない。これまで意識していなかった国や地域にも、情報を届けてみようと思うようになるかもしれない。
Language-Freeによって、情報の届き方とともに、発信する側の視野や行動も変わっていくかもしれません。
昨日の記事で書いた「何を届けるかも広がる。誰に届けるかも広がる。」という仮説を、今度は実際の現場で確かめたいと思っています。
全国の宿と一緒に、prismを育てる
リボルバーは、CMSやコンテンツマーケティングを通じて、企業が自ら情報を発信するための仕組みを長くつくってきました。宿泊・観光の現場には、その地域、その施設で長く仕事をしてきた方々だからこそ持っている知見があります。
僕たちのWeb発信の知見と、全国の宿泊施設の皆さんが持つ現場の知見。その二つを掛け合わせながら、prismを育てていきたいと考えています。今日から始まった47都道府県モニタープログラムは、そのための第一歩です。
日本各地の宿から発信される、小さな日常の情報。その一つひとつが、世界の誰かの「旅マエ」、あるいはそのさらに手前とつながっていくのか。
僕たち自身、その答えをとても楽しみにしています。
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